ローンの利息のしくみ:実質年率・返済予定表・総支払額

2026年11月更新

この記事は一般的な情報であり、金融に関する助言ではありません。ローンの条件、手数料、ルールは金融機関や国によって異なるため、必ずご自身の契約書に記載された数字を確認してください。

ローンの広告はいつも金利を一番大きく打ち出しますが、金利はローンにかかる費用の一部にすぎません。手数料、返済期間、返済方法によって、総額は何万円、何十万円と変わることがあります。このガイドでは1つの計算例を使ってしくみを順に追い、ローン計算ツールでどんな条件でも自分で確かめられるように説明します。

金利と実質年率

金利(表面金利)は、借りているお金に1年間でかかる利息の割合です。実質年率(APR)は、事務手数料など借りるために必ず払う費用の大部分を加えて、1つの年率で表したものです。多くの国で、ローンを公平に比べられるよう、実質年率かそれに近い数字の表示が求められています。日本でも消費者向けローンの広告では実質年率が示され、利息制限法で上限金利が定められています(元本10万円未満は年20%、100万円未満は年18%、100万円以上は年15%)。この上限を判断するときは、手数料などの名目で受け取るお金も原則として利息とみなされます。

なぜ大事なのか、例で見てみましょう。100万円を年7%、3年の元利均等返済で借り、手数料3万円が差し引かれて振り込まれるとします。毎月の返済額は30,877円、利息の合計は111,575円ですが、実際に受け取ったのは97万円なので、このローンの本当の費用は141,575円です。これを年率に直すと、実質年率は約9.07%になります。手数料なしで年7.5%の別のローンなら利息は119,824円で、表示金利は高くても実際には安く済みます。

さらに2つのポイントがあります。

  • 実質年率は、ローンを最後まで返し続けることを前提にしています。早く完済すると、最初に払った手数料の負担はそれだけ重くなります。
  • 毎月利息がかかる場合、1年の間でわずかに複利が効きます。年6%を毎月かけると月0.5%で、年に換算した実効金利は6.17%になります。小さく見える日割りの利率も積み重なると大きく、1日0.05%は複利を考えなくても年18.25%です。

元利均等返済のしくみ

フリーローン、自動車ローン、住宅ローンの多くは元利均等返済です。毎月同じ額を返済し、その返済額はまずその月の利息に充てられ、残りが借入残高(元金)を減らします。利息は残っている元金にだけかかるので、残高が減るにつれて、返済額のうち元金に回る割合が大きくなります。

200万円を年6%、5年で借りた場合を見てみましょう。月利は6% ÷ 12 = 0.5%で、毎月の返済額は38,666円です。1か月目の利息は200万円 × 0.5% = 10,000円なので、28,666円が元金の返済に回り、残高は1,971,334円になります。2か月目は減った残高に利息がかかり、1,971,334円 × 0.5% = 9,857円です。

回返済額利息元金残高
138,66610,00028,6661,971,334
238,6669,85728,8091,942,525
338,6669,71328,9531,913,572
1238,6668,38330,2831,646,389
3638,6664,53334,133872,393
6038,64119238,4490

毎月の利息を1円単位で四捨五入しているため、最終回だけ少し少なくなります。実際の金融機関では端数処理の方法が異なり、数円ずれることがあります。年ごとにまとめると、利息から元金へ比重が移っていくようすがよくわかります。

年支払額利息元金年末の残高
1463,992110,381353,6111,646,389
2463,99288,572375,4201,270,969
3463,99265,416398,576872,393
4463,99240,833423,159449,234
5463,96714,733449,2340

利息の合計は319,935円です。1年目は支払額の4分の1近くが利息ですが、最後の年は約3%にすぎません。同じローンを元金均等返済(毎月、元金33,333円にその月の利息を加えて払う方法)で返すと、初回の返済額は43,333円、最終回は33,500円で、利息の合計は305,000円です。ローン計算ツールでは、返済方法を切り替えるだけでどちらも計算できます。

返済期間で総額はどう変わるか

期間を長くすると毎月の返済額は減りますが、そのぶん長く利息を払うことになります。同じ200万円、年6%の場合です。

期間毎月の返済額利息の合計総返済額
3年60,844190,3822,190,382
5年38,666319,9352,319,935
7年29,217454,2372,454,237

期間を5年から7年に延ばすと、毎月の返済額は9,449円減りますが、利息は134,302円増えます。実際には期間が長いほど金利も高くなることが多く、差はさらに広がります。万一に備えた余裕を残しつつ、無理なく払える範囲で最も短い期間を選ぶのが合理的です。

繰り上げ返済の効果

決まった返済額より多く払ったお金は、ふつうそのまま元金の返済に充てられるため(金融機関がそう扱うか確認してください)、それ以降にかかる利息が減ります。同じ5年ローンで計算すると次のとおりです。

毎月の上乗せ額完済までの期間利息の合計減った利息
なし60か月319,935–
1万円47か月244,43675,499
2万円38か月198,208121,727
5万円24か月127,354192,581

一度にまとめて返しても効果があります。12回目に20万円を上乗せすると、ローンは54か月で終わり、利息は50,617円減ります。繰り上げ返済は早いほど効果が大きくなります。そのままなら長く利息を生み続けたはずの元金を、早めに消せるからです。

繰り上げ返済の前に、3つのことを確認しましょう。繰り上げ返済の手数料がかかるか。期間短縮型か返済額軽減型か(期間短縮型のほうが利息を多く減らせます)。そして、そのお金を生活防衛資金に残したり、金利の高い借金を先に返したりするほうがよくないか、です。

単利と複利

単利は、最初の元金にだけ利息を計算します。複利は、利息が残高に加えられ、その利息にもまた利息がつきます。100万円を年5%で置いておくと、次のようになります。

期間単利年複利月複利
1年1,050,0001,050,0001,051,162
5年1,250,0001,276,2821,283,359
10年1,500,0001,628,8951,647,009
20年2,000,0002,653,2982,712,640
30年2,500,0004,321,9424,467,744

元利均等返済のローンを期日どおりに返している限り、利息が複利で膨らむことはありません。毎月の利息を全額払っているので、残高に加わらないからです。複利が不利に働くのは、利息を払わないときです。リボ払いのように払いきれなかった分が翌月に繰り越されたり、返済猶予の間にたまった利息が元金に組み入れられたりする場合がそうです。年24%、つまり月2%で利息がつく残高を放っておくと、実効金利は約26.8%になります。貯蓄では同じしくみが味方になります。複利計算ツールで年ごとの変化を確かめられます。

72の法則

お金が2倍になるまで何年かかるかをざっくり知りたいときは、72を年利で割ります。

年利72 ÷ 年利正確な値(年複利)
3%24.0年23.4年
6%12.0年11.9年
9%8.0年8.0年
12%6.0年6.1年
24%3.0年3.2年

この法則はおよそ6~10%の範囲で最もよく当てはまり、両端に行くほど少しずれますが、手早く確かめるには十分です。貯蓄だけでなく借金にも使えます。月2%で増えていく未返済の残高は、約35か月で2倍になります。物価にも使えて、物価が毎年3%ずつ上がると、約24年で物価は2倍になります。返済額のうち利息が何%かといった簡単な計算には、パーセント計算ツールが便利です。

契約の前に確認したいこと

  • 毎月の返済額だけでなく、実質年率と総返済額を確認しましょう。
  • 固定金利か変動金利か、変動金利ならどのように決まるのかを確認しましょう。
  • 事務手数料、保証料、繰り上げ返済手数料、遅延損害金、加入が必要な保険などの費用を探しましょう。
  • 期間を短くした場合や、毎月少し多めに返した場合の数字を、自分で計算してみましょう。
  • 繰り上げ返済ができるか、どのように扱われるかを確認しましょう。

関連ツール

  • ローン計算 – 毎月の返済額、利息の合計、返済予定表をすべて計算します。
  • 複利計算 – 利息と毎月の積立で貯蓄がどう増えるかを示します。
  • パーセント計算 – 割合や増減率などを計算します。